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09/15のツイートまとめ

yamamoto7hei

⑤前記の彼の言葉を、こういう生涯を生きた人の言葉として読むと、徳川期の主従の関係もいまの日本のそれもこれと同じではない。その差はどこにあるのか。孔子は確かに相手に対して誠実であった。
09-15 08:12

⑥諸侯の一人に仕えた以上、彼はそれに対して、忠誠であったが、しかしこの関係はあくまでも相対的な「君君たらずんば、臣臣たらず」といった関係で、いわば両者の関係は信義誠実を基にすべきことであるといった契約的な意味の誠実さで、これがおそらく「忠」という概念であろう。
09-15 08:42

⑦彼にとって、この「忠」という概念と、血縁といういかんともしがたい非契約的な秩序の基本である「孝」とはあくまでも別概念であったろう。別概念だからこそ、別々の言葉で表現され、この二つを同一視すれば、とんでもない社会を招来してしまうと考えたはずである。
09-15 09:12

⑧従って前述のように、父子ではない会社や組合といった組織にまで父子の倫理を拡大してこれを儒教と呼べば、彼自身が激怒して反対したかもしれぬ。もっともこの点には複雑な問題があると思うので、以上の規定は一応、変形された「日本的儒教」と呼ぶべきものと考えよう。
09-15 09:42

⑨言うまでもなく三十年前までの日本は「忠孝一致」で「孝」を組織へと拡大化した状態を「忠」と呼び「君君たらずとも臣は臣たれ」を当然とした社会であった。これは徳川時代には…臣従を絶対化するイデオロギーであったが、明治以降はこれが極限まで拡大され、その極限におかれたのが天皇であった。
09-15 10:12

⑩この体制は第二次大戦という打撃で崩壊したわけだが、物理的崩壊が質の変化を意味しないことは言うまでもない。それはすぐさま、新しい様々な組織を「考」の対象と化し、それぞれが”一家”を形成したというだけである。そして戦後は、逆にそれを形成しやすい土壌を提供したわけである。
09-15 10:42

⑪上前淳一郎氏が記されているように、三十年前、一学期に黒板に「大和魂」と書いた教師が二学期に黒板に「民生主義」と書いたからといって、何かの変化が起るはずはない。教師も生徒も、その通常性(日常性)においては数ヵ月前のままであるのが当然である。
09-15 11:12

⑫変ったものは、この通常性の上に立っていた一つの虚構、孔子における「父と子」の問いのような「直(なお)きこと」、簡単にいえば虚構の応酬の中の一世界のタイプの変更だけである。古い虚構も新しい虚構もともに虚構だから、黒板の文字を書きかえればそれですむ。
09-15 11:42

⑬だが、もし我々が、本当に「通常性の規範を変えろ」と言われたら、到底、そんな簡単なわけにはいかない。それならなぜ、黒板の字の書きかえのように一見きわめて簡単に”改革”が行なわれたのか。
09-15 12:12

⑭それはアメリ力のもたらしたイデオロギーが「自由」と「民主」の二つだったという面白い事実に基づく。アメリカ人は実に素朴にこの二つが結合するものと考えていた。しかし一民族を全く無干渉に自由に放置しておいたらどうなるか。それは否応なく伝統的文化規範による秩序を作るに決まっている。
09-15 12:42

⑮そしてそれを形成するのに、何の苦労も努力も摩擦も生じないのである。それは真空状態のような収容所にも発生したが「土着の秩序」と言ってもよい秩序であろう。そこの人びとが、その人びとがもつ無意識の通常性的規範通りに生活していけば、否応なくできあがってしまう秩序である。
09-15 13:12

⑯従ってアメリカが「民主」を棄却して「自由」だけをもたらし、全く自由のままに日本を放置しておいたならば、数百年の伝統をもつ規範がそのまま社会秩序となって行ったであろう。言うまでもなくそれは日本的儒教的規範の世界――いわば一君万民の情況倫理の世界である。
09-15 13:42

⑰そしてこの世界は、エレミヤ的伝統をもつ世界と、その文化的規範が違って当然だから、自由にしておけば自分で自由を失うという結果になって不思議ではない。
09-15 14:12

⑱そのため、自由にしていて自由を失うまいとすれば「一君万民・オール3的、事実を口にしないことが真実」というすべての組織から脱落する以外になくなるが、脱落とはいわば勘当であり、勘当されたものは一切の権利を実質的に失うから、また自由を失ってしまうわけである。
09-15 14:42

⑲そのため戦後三十年、いまの日本人にとって、全く扱いづらい概念になってしまったのが、実は「自由」という概念なのである。…「社会」乃至は「社会主義」という概念は、明治のはじめから戦前・戦後を通じて、少しも扱いづらい概念ではない。
09-15 15:12

⑳一委員長・共(オール)3党員と「父と子の相互隠蔽」の倫理に立つことを社会主義と考えるならば。そしてそれによって一見「民主主義」的な社会をつくることも、また可能なのである。
09-15 15:42

㉑「父は子のために非民主的なことを隠し、子は父のため同じように隠す」ならば、どこから見ても民主主義であろう、いまの日本同様に――ただ個人の「自由」を排除しておけば。
09-15 16:12

㉒戦前の日本軍部と右翼が絶対に許すべからざる存在と考えたのはむしろ「自由主義者」であって必ずしも「社会主義者」ではない。社会主義はただ方向を誤っただけで彼らの意図そのものは必ずしも誤りでないから、方向さえ変えさせれば、いわば転向さえすれば有能な「国士」になると彼らは考えていた。
09-15 16:42

㉓従って、転向者の多くは軍部の世話で「満鉄調査部」に勤めていたところで、それは必ずしも不思議ではない。だが彼らは、自由主義者は、箸にも棒にもかからぬ存在と考えていた。
09-15 17:12

㉔この考え方は、青年将校などにも明確にあり、自由主義者とは「転向のさせようがない人間」いわば、彼らにとっては「救いがたい連中」たったわけである。
09-15 17:42

㉕では彼らはどういう人間を「自由主義者」と規定したのか。簡単にいえば、あった事実をあったといい、見たことを見たといい、それが真実だと信じている、きわめて単純率直な人間のことである。なぜ、彼らはそれを嫌ったか。
09-15 18:12

㉖それは、今まてのべてきた「父と子の相互隠蔽」の規範を、組織の規範とした場合、上記の原則が逆用されて、それが忠誠への尺度となるからである。従って、彼らは”自由主義者”を何事に対しても「不忠」な「一切の組織に不適合」な人間だから、信頼できかねると感じたわけである。
09-15 18:42

㉗規範の逆転で忠誠を計る事は前述の倫理を逆に当てはめれば誰にでも簡単にわかるであろう。たとえ父子ではなくABという他人であっても「Aが羊を盗んだ事をBが隠し、Bが羊を盗んだ事をAが隠す」ならば「直きこと」即ち正義と真実は両者の間にあり、従って相互の信頼に基づく組織が確立する。
09-15 19:12

㉘社長が黒いピーナッツを食べている現場を見ても、共産党員がたとえ”共産党員のノゾキ”の現場を見ても、「知りません」「存じません」といえば、それは「直(なお)きことその中にあり」で、これはその組織に誠実な社員、最も信頼できる党員なのである。
09-15 19:42

㉙七日会で、田中元首相が「私は潔白である」という。そうでない証拠に多額に金を現にもらっていても、それを口にせず、その通りだといえば「直(なお)きことその中にあり」で、誠実なる会員なのである。
09-15 20:12

㉚またリンチの現場にいて、現にそれを見た、それはこうであったと過去に証言しても、”情況”に応じて「断じてありません」といえば「直(なお)きことその中にあり」で、誠実な党員なのである。
09-15 20:42

㉛だがその論理は少々おかしい。それでは全部が虚偽になって収拾がつかなくなるではないかといえば、それがいわば「固定倫理」の考え方、情況倫理は、対内対外という情況の変化は勿論、あらゆる事実は情況に対応するのだから、その”真実”が事実になるように情況を設定すればよい。
09-15 21:12

㉜いわばゴムの尺度を事実の方に合わせればよいわけである。【彼が羊を盗んだのはかくかくしかじかの情況のもとで行なったのだから、その情況を拾象して、”盗み”だけを云々してその人間を規定するのは正しくない。】
09-15 21:42

㉝【もっとひどい略奪が横行していた当時の情況を故意に無視する者は、保守反動である】といえば、人間みな「平等」でその行為は一に情況に対応しているのだから、その内部ではそれで十分、そして「それでなお彼は盗まなかった」といえば忠誠が証明されるわけである。
09-15 22:12

㉞従って「一君万民」「一教師・オール3生徒」の平等主義と情況倫理は絶対に切り離せないわけである。そしてこれが、われわれにとって最も適合した状態であることは、最近、企業内にも、「一君万民」方式をとるところが現われたことにも示されている。
09-15 22:42

㉟ある会社の社長が経営雑誌で「日本人ヨコ社会論」をのべ、従来の「タテ社会論」を否定する発言をしている。それを要約すると、「一社長・オール平社員」で、社員を「ヨコ」の平等におき、”自由”にしておくことが最も能率的だという意見である。
09-15 23:12

㊱共産党の「革新政党の党員に”特等席”はない」も同じ行き方だが、この行き方は、一見新しそうで、実は最も伝統的な発想で、日本軍の中にすらこの一面があったことは前にも記した。日本的自由と平等は、自由に放置すればここへ来るわけで、そのことは戦前に既に現われている。
09-15 23:42

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