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09/11のツイートまとめ

yamamoto7hei

⑥本所→領家(荘官)→名主職→百姓職→作人          ↓              →小作職いわば本所は名義料をもらっている形式的な所有権者、そして領家は現地における管理者で、これが実質的な所有者の場合もある。
09-11 08:12

⑦その下の名主職が土地所有者で、彼らはその土地を小作に出している。同時に自作農である百姓職がおり、その下に土地を持たない農業労働者の作人がいる。公地公民制はこのような形で分解・再編成されていくが、前記の序列は必ずしも固定した階級ではない。
09-11 08:42

⑧その成立を簡単に図式化すれば、公地の公民である百姓が租庸調に耐えかねて逃げ込んで来れば、まず作人となる。当時は未開墾地が多かったから、作人は歓迎される。彼らが名主職の土地を請け負いで耕作するようになれば小作職になる。
09-11 09:42

⑨そしてよく働いてその土地を購入すれば百姓職になる。その上さらに働いて土地を収得するか開墾してこれを小作に出せば名主職になる。そして名主職もその土地を売るか借金の担保にして取られれば、作人に転落する。
09-11 10:12

⑩いわば荘園内での身分は、その者の土地の所有に基づいていて、いつでも上下するのである。領家はここから年貢を集めて本所に送る。すると有力者や有力寺院である本所は、彼らの土地の所有権を保証してくれるという関係である。彼らは簡単にいえば逃亡農民であるから荘園は血縁集団ではない。
09-11 10:42

⑪本所である寺院はこれらを管理する事務を行い、その収入によって僧兵を養っており、治外法権的な権利の主張で、荘園内の人びとの所有権は保証されている。前に記した高野山の「合点」の場合、この荘官が年貢を滞納したので罷免するか否かの採決であり、いわば純然たる世俗的な事務である。
09-11 11:12

⑫このことは、世俗的な人事にも多数決原理が適用されたことを意味している。となると、現地の管理者である荘官の武家が、やがてこの方式を採用するようになる。これはそうなって不思議でない。やがて武家は自らの実力を自覚し、自らの政権を樹立する。
09-11 11:42

⑬するとかつての寺院と同じような多数決原理で自らの法を決議し、起請文を記してその実施を誓う。するとこの法もまた、起請の対象である神社の神の「神慮」という形で絶対化される。
09-11 12:12

⑭時代はやがて「王法・仏法」の時代から「王法・武家法」の時代へと移っていくが、立法の方式の原理は変わらない。そしてこの起源が原始仏教の議決方法「多語毘尼〔たごびに〕」に基づくなら、日本の民主主義の原型は仏教に由来するといってもよいであろう。
09-11 12:42

⑮だがこの問題は次の章に譲る事にしよう。というのはそれは、日本の新しい時代の幕開けだからである。最後に冒頭で記したアメリカ人の問いについて少し記しておこう。「多語毘尼」による多数決は、たとえこれを用いない伝統ができても、仏教圏のどこかで行われているのかもしれない。
09-11 13:12

⑯だが「聖・俗」を峻別している社会では、それは世俗社会の原理にはならない。これは、強固な血縁集団を成し、それに基づく家長権があり、また科挙の制度が完備した中国や韓国では起こり得ない現象である。
09-11 13:42

⑰いわば律令を超えた「超法規的」な決議を容認するなどということは、正確な意味の律令国家にはあり得ないことであった。特に李氏朝鮮の時代の韓国は、中国以上に完備した律令国家であり、儒教を絶対化して仏教を弾圧したため、こういう奇妙な現象は起こり得なかった。
09-11 14:12

⑱これは宋時代の中国でも同じであったろう。日本はこの点、当時の中国・韓国から軽侮されて然〔しか〕るべき無秩序な状態にあったといえる。だがそれが、民主主義と共鳴しうる伝統を形成したわけであり、神仏混淆で神道の神社が存在したこともこのことに作用している。
09-11 14:42

⑲最も古い宗教を残し、宗教の純粋性を絶対化する者が強く拒否する宗教混淆〔シンクレティズム〕が、奇妙な形で直接民主制の基本となる体制を生み出した。これをまことにおかしな現象というなら、まさにその通りだといわねばならない。歴史には常にこのような皮肉な現象があるのであろう。
09-11 15:12

①大分前の事だが、ある教授と話をしているうちに、大学における「議論」というものは、大変に面白いものであるという話になった。教授が笑いながら、大学紛争のとき、火事になった際、消防士を校内に入れてよいかどうかが問題になったと言った。<『「常識」の研究』
09-11 15:42

②「紛争が起こっても機動隊を入れてはいけない」「では火事になっても消防士を入れてはいけないのか」「いけない」といった種類の議論で、教授は「消防士は学問の自由とは関係ないでしょうにね。大学内の議論は時々ヘンな方向へ行ってしまう…余りに論理的なのですかな」と言って笑った。
09-11 16:12

③これはまじめな討論ではなく、雑談の間に出てきた一笑話なのだが、後でなぜそういう結果になるかを考え、その間にどういう論理が作用しているかを想像したとき、これは大学だけでなく、われわれの社会のすべてに通ずる問題ではないかと思った。
09-11 16:42

④同じ社会に存在する以上、大学だけに全く別の論理が作用するとは考えにくいからである。論理というよりも、そういう結論が出る思考の過程を結論の方から逆にたどっていくと、次のようになるに相違ない。
09-11 17:12

⑤「火事の時に消防士を入れてよいとなると、結局、紛争の時には機動隊を入れてよいということになる。そうなると小さな紛争のうちに警察官をいれた方がよいということになり、次に紛争を芽のうちに摘んでしまうために刑事をいれた方がよいということになる。
09-11 17:42

⑥「となると……となり、さらにそれが……となって、最終的には学問の自由が侵される」。これを「学問の自由」の方からたどれば、「火事になっても消防士を入れてはならない」という結論になるであろう。議論はおそらく、そのような形で進行したものと思う。
09-11 18:12

⑦この思考の過程にあるものは、何であろうか。それは簡単にいえば一種の宿命論で、「こうなるとこうなり、そうなればああなる……」という「なる」の論理であって、そこには意志的な「する」がないのである。そしてこの論理に拘束されると、人間は何も「する」ことができなくなる。
09-11 18:42

⑧では何もしなければよいのかというと、そうはいかない。というのは「何もしないとこうなる。こうなると、ああなる…」という形になり、最小限、何かをしなければならなくなる。
09-11 19:12

⑨そこで、何かをしているが、実際には何もしないという状態に陥り、日常業務が機械的に動いていく以上のことは一切しないという状態に安住する結果になる。以来私は、この議論を「なるなる論」と呼んでいる。
09-11 19:42

⑩そしてこの「なるなる論」の方式をあてはめて、何かの議論の跡をたどってみると、現在マスコミで論じられている様々の議論が、実はこの「なるなる論」であることに気づく。有事立法も、原子力発電の問題も、教育論も福祉論も、みなこの「なるなる論」に落ち着いていくのである。
09-11 20:12

⑪その結論はしばしば、「火事になっても消防士を入れてはいけない」式になっているが、この結論から論理を逆にたどると、大学におけるこの種の議論とほぼ同じ過程をたどっており、到底これを笑うわけにはいかなくなる。
09-11 20:42

⑫この「なるなる論」の面白い点は、それが反論不可能だという点である。事実、前記の教授も、消防士を入れてはならないという結論になったとき、これに的確に反論できなかったらしい。
09-11 21:12

⑬さらにそこに、これに反対する者は、学問の自由を売り渡そうとする権力の手先だ…などという非難・糾弾が入ってくると、どうにもならなくなって当然であろう。従って、反論されまいとすればこの「なるなる論」がもっとも便利だから、マスコミに愛用されても不思議ではない。
09-11 21:42

⑭この「なるなる論」は、組織が、その組織を存立させている目的を見失ったときに起こる。
09-11 22:12

⑮いわば大字が「教育をする」「研究をする」というその目的への意識的な対応、すなわち「する組織」である限り、その「する」に対応して、発生する様々な現象にどう対処するかという「する」が問題になるが、この基本が失われれば一切は「なる」に還元される。
09-11 22:42

⑯そして「なるなる論」は、誰かの「する論」を「そうするとこうなる、こうなると…」という形で葬ってしまっても、決して自分の方から「こうすべきだ」とは発案しない。企業にこれが出てくると、それは倒産への第一歩と考えてよいであろう。もっともこれは企業だけの問題ではないが…。
09-11 23:12

■山本七平botまとめ/日本人の思考を拘束する宿命論「なるなる論」https://t.co/HYnuEB2EUz
09-11 23:42

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